2012年10月18日木曜日

技術力

先日、ウチのマンションでエレベーターの点検がございました。
2基あるうちの片一方ずつ運転を止めて点検をされているのであります。
その点検中にたまたま遭遇しまして。

作業員のオッチャンが一人寡黙に作業をされております。

「お!写真撮ってよろいいですか」

ワタシ、思いと口は自動的に連動されていますから、
思った瞬間音声になっております。


「え!あ!あぁ、どうぞ〜」

まぁ当然の反応でございます。
少し躊躇されて、まぁいいかって具合であります。


その昔ワタシ、エレベーター会社のパンフレットなどを
作成しておりまして。

作業風景のカットを撮影させていただいたとき、
まさしくこんな感じのエレベーター内部だった事を思い出しました。


こんな小さいかご内に人間を6人も7人も載せて高層階まで
ほとんど大きな揺れを起こさず移動させる心臓部がここなのかと。
想像していたほどの複雑さは無く、
シンプルに作り上げている技術力に感心した次第で。


そう、日本のエレベーター技術は本当に世界一なのであります。

大手メーカーは10円玉をかご内に垂直倒立させ、
高速上昇させても倒れないなんてコマーシャルをうっておりましたが。

まさしく日本の技術はそういうものであります。

数年前とんでもないエレベーター事故なんかが
世間を賑わしておりましたが、あれは外国のメーカーでしたしね。
国内でもちょろちょろあったようですが、
ほとんどが人的ミスでありました。


日本は技術大国なんですよ。
最近他国から諸般の事情でやられっぱなしで、
経済も弱くなって技術も外国に流出しているって
ナントカ評論家は嘆いてますけど。


イヤイヤ、
日本民族が供えている丹念な仕事力ってものが対でなければ、
本当の技術力なんてそんな簡単に流出しないんですよ。

心配するなとは言いませんが、
嘆く必要はまったくございませんよ。


ワタシ、作業されているこのオッチャンの
少々薄くなりかけている頭頂部を見ながら思うわけです。


「一生懸命技術立国ニッポンを支え続けてくれているオッチャン、
 オオキニ」


ワタシ、思いと口は連動しておりまして。

最後の「オオキニ」だけ声に出していたわけです。

「え!あぁ…。撮れましたか」


心持ち引きつった声でこたえられました。



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